2009/11/27

BL-15A

今日は9時からPFのBL-15Aでの実験。北大のM山さん、千葉大のK畑さん、理研のT仲さん、京大のH田君らベテランぞろいの陣容だったため、ほとんどやることはなく午後からは会議。4号館についての打ち合わせ、人事委員会、技術職員についての打ち合わせの3つに出席した。

2009/11/26

Natureの事業仕分けに関する記事

朝は自宅でS野君の論文原稿をチェックしてから出勤。午前中は来ていたメールへの返事や溜まっていた書類の処理などをした。また午後は構造物性センターのグループリーダー会議。夕方には文部科学省に出さなければいけない書類の作成で、副所長や他の研究系の主幹とのやりとりをした。

ところで行政刷新会議の「事業仕分け」では科学技術予算がやり玉に上がっている。我々はそれに対して強い危機感を感じているのだが、Natureにこの問題を指摘した記事が出た。国際的にも、大きく注目されていると言うことだ。

2009/11/25

Quick Look Server

午前中は中性子GL会議。今年度予算の残額の使い方について議論した。また午後は加速器の人事委員会と、東北大とテレビ会議システムで結んだ連携に関する打ち合わせがあった。

ところで京大時代から使っているPowerMac G5の調子が悪い。ちょっと使っているとすぐに「Quick Look Serverがダウンした」と言う趣旨のエラーメッセージが出る。Quick LookはLeopardになってから搭載された機能でこれまで特に問題なく使えていたのだが、なぜか突然(別に何かインストールしたわけでもないのに)こうなった。そう言えば最近は、アイドリング中に暴走していることも多いような気がする。何か原因が見つかるかと思ってネットを検索してみたのだが特に何もヒットしないので、典型的なトラブルと言うわけでもないらしい。となると可能性としては、システム関係の書類が壊れた、というぐらいだが...

2009/11/21

特定領域公開シンポジウム

昨日から今日にかけて、特定領域「ソフトマター物理」の公開シンポジウムが行われている。11月の京都と言う観光シーズン真っただ中での開催でホテルが取れない人が続出ではないか、と思われたのだが、100人以上の参加者があった。昨日は領域代表の全体に関する説明から始まって、A03班とA04班からの話題提供があった。そして今日は主にA02班とA01班からの講演が行われる予定となっている。

2009/11/20

行政刷新会議事業仕分け

「行政刷新会議」による事業仕分けが行われているが、その中で科学研究の巨大プロジェクトがやり玉に挙がっている。税金の使い方を是正するために、いろいろな事業の中から無駄を洗い出す。仮にそのような事業仕分けのコンセプトは正しいとしても、その乱暴なやり方は「酷い」としか言いようがない。

その中で我々に最も関係が深いのはSPring-8だ。年間の運営費が86億円かかり、そのうち15億円が電気代だと言うことから「無駄であると」一刀両断にされ、「(H22年度予算を)3分の1から2分の1程度縮減」との評決結果が出た。その理由が公開されているのだが、全文を以下に紹介する。

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●「大型放射光」としての利用について、見直し、利用時間の増加に向けて努力すべき。委託の必要はあるか。
●現状のようにランニングコストとして国費を年86億投じ続けることに対するアウトプット(メリット)が 説明されていない。高額高コストのインフラなら波及効果を含めたメリットを説明しきる努力が必要。 年86億に見合うメリットは何か、説明が充分でなければ、国費を認めがたい。メリットそのものの問題ではない。説明の問題。
●将来的にも、料金収入だけでは運営不可能で、国費の投入が避けられない以上、必要最低限 の国費投入が原則である。ビームラインの増設は費用対効果が見込めない以上認められない。利用効率の低いラインのスクラップアンドビルドで自己努力すること。
●自己収入を大きく高める余地あり。
●国際協調の観点から広く(アジアの)他国から開発費・開発者をつのり、運営費を負担してもらうべき。
●収入増の工夫の余地があると思われる。
●収入増の努力が必要。利用促進に必要経費の見直し。
●収益確保すべきと思われる。シェアを削減。
●固定費を明確にし、国費の負担部分を明確に。固定費と変動費を明確に分離する。その上で付加機能はコストをもとに拡充。
●自己収入をあげるための努力を高める工夫が必要。
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どうだろう?これらが正当な予算削減の理由だ、と言って良いのだろうか?放射光は工場ではないので、運転することによって直接的に利益を生み出すわけではない。そこで基礎研究を行うことによって将来の役に立つような研究を行い、合わせて人材を育成するのが目的だ。「ヒ素入りカレー事件」の証拠固めに使われたり、薬の開発に役に立つようなタンパク質の構造解析に使われる、と言う分かりやすい例もあるだろうが、しかしそれだってすぐにお金になるわけではない。ほとんどの研究は数年から数十年かけて検証され、発展させて「直接的に役に立つ」ことに繋がって行く。SPring-8はそのような基礎研究の場を一般の研究者に提供しているわけで、そこで「収入」について語るのはナンセンス、としか言いようがない。

資源の無い日本が「大国」としてやってこれたのは、明治維新以来、あるいは戦後の苦しい時期から基礎研究と人材育成への投資をして来たからだ。そもそもSPring-8のような世界最高性能の加速器を作った言うこと自体が、日本の科学技術のレベルの高さの証明なのだ。そのへんの検証もビジョンもないままに、数人の「仕分け人」の短時間の審議で運営費を大幅削減する事は、言わば「金の卵を産むガチョウを殺す」に等しい暴挙だ。Natureでも取り上げられているように世界的な注目度も高いので、このままでは日本と日本政府が世界の笑いものになるのは間違いない。

2009/11/19

京都への移動

昨日は「物構研シンポジウム」の2日目。午後は「ソフトマターにおける界面」をテーマにしたセッションでリーダーを務めた。最後のセッションだと言うことで聴衆が少なくて寂しいのではないかと心配だったのだが、それなりに人数も居て話も盛り上がったので良かった。

今日は午前中職場に行ってちょっとだけ仕事をして、昼から京都に移動した。

2009/11/17

09物構研シンポ

午前中は昨日に続いて構造物性センターの全体会議。午後は物構研シンポジウムが始まった。今回のテーマは「放射光・中性子・ミュオンを用いた表面・界面科学の最前線」で、固体からソフトマターに至る様々な物質系の表面・界面に関わるサイエンスに、物構研で持っているプローブを用いてどのように取り組んで行くかと言うことについて議論した。今日のセッションは磁性や半導体に関するものが中心で、半分も分からなかったが勉強にはなった(かも?)

2009/11/16

CMRC全体会議

午前中は物構研責任者会議。そして昼から構造物性研究センター(CMRC)の全体会議があったので、つくばエポカルに行った。全体会議ではソフトマターグループの狙いを説明し、Y田さんとK畑さんに研究の具体的内容について話してもらった。質疑は色々と出てうまく説明できないところもあったのだが、後で参加者に感想を聞いたら概ね好評だった。

ところで今日、News@KEKに先日のプレスリリースの内容を解説した記事が掲載された。高校生でも分かるように、と言うことだったのでかなり気をつけて書いたつもりだが、果たして見た人の感想はどうだろうか?

2009/11/13

中性子実験装置検討委員会

今日は午後から「中性子実験装置検討委員会」があった。この会議は、J-PARC/MLFに建設提案された装置について議論するためのもの。1次審査を通過した装置提案の詳細設計を提出して、その可否を決めるのが目的だ。今回は生物用単結晶装置、微小単結晶解説装置、及び中性子スピンエコー分光器群について議論した。

この中の最後の装置の提案は僕が代表者だったので、H野さんとY室さんと一緒に説明と質疑応答に臨んだ。色々と質問が出たのだがいずれもほぼ予想通りのものだったので回答は問題なかったと思うのだが、審査の時には席を外していたので結果は不明。そのうち通知されるのを待つことになる。

2009/11/12

がんこやラーメン かるがん

午前中は昨日の続きで、Mieze提案のプレゼン資料作りの詰めをした。昼から東海に行って、J-PARCの放射線再教育訓練を受けた。またKS君と一緒に業者と会って、顕微鏡の話を聞いた。

ところで東海に行くために昼ごろにつくばを出るときには、わりと頻繁に千代田石岡IC近くの「がんこやラーメン かるがん」で食べる。この店は壁いっぱいに張った様々なメニューが特徴で、いつも何を食べるか迷うのだが、この前食べた油揚げと青菜の入ったラーメン(名前は確か「おりべラーメン」)は美味かった。焼いた油揚げを7mmぐらいの幅に切って青菜と一緒にラーメンに乗せている、と言うだけなのだが、この油揚げ自体がおいしい上にラーメンの汁を吸ってますます美味。うどんやソバに油揚げ、と言うのは良くあるが、ラーメンと油揚げがこんなに合うとは知らなかった。とか言いながら今日は「ネギみそラーメン」にしたのだが、こちらは変わったこともなく普通だった。

2009/11/11

Mieze提案

今日は主に、明後日行われる中性子装置検討委員会のためのプレゼン資料作り。今回はK端さんに代わって僕が提案代表者になったMieze型NSE分光器のヒアリングで話さなければならないので、主にH野さんとY室さんからもらった資料を組み合わせて20分のストーリーを作った。

午後はNTAC対応に関するテレビ会議。いつもテレビ会議をやると向こうで何を言っているか分からず途中で疲れてしまうのだが、今回はそうでもなかった。向こう側で主に話していたN島さんがはっきりと話してくれたからかな?

2009/11/10

続・申請書

今日が締め切りの物性研の申請書だが、昨日の教訓を生かしてこまめにセーブしたお陰で何とか3つ書きあげた。細かいところがまだなのだが、そこはD論執筆中のKS君に任せても大丈夫だろう。

午前中は昨日に引き続いて4号館の部屋の使い方についての打ち合わせ。午後はリガクの営業が来たので装置の件で打ち合わせをした。

2009/11/09

ああ、課題申請書が…

朝は4号館の部屋をどう有効に使っていくか、と言うことについての会議。その後昼まで所長室でJ-PARCにおけるKEKの立場等について議論した。また夕方は筑波大に行って、KEKとの連携についての打ち合わせをした。

その他の時間はデスクワークいろいろ。まずは今日が締め切りの機構会議に向けての報告書をまとめた。また物性研中性子の課題申請の締め切りが明日なので申請書を書いたのだが、途中で邪魔が入ったりして時間をあけてから保存しようとしたら、時間切れになっていたらしくサーバーエラー。せっかく書いた申請書の1ページ分が全て無くなってしまった。ああ、痛い…

2009/11/07

マイクロビーム

昼前からPFのマイクロビーム実験に行く。実験は全体的に順調で、東大のS木さんの測定で面白そうなデータが出ていた。午後の途中から自分のオフィスに戻って、物構研シンポのアブストラクトの作成やNews@KEKの原稿書き等をした。

2009/11/06

ERATO打ち合わせ

今日は午前中から東海でERATO関係の打ち合わせ。九大からプロジェクトリーダーのT原先生が来て、JSTの担当者やこちらの事務方なども含めていろいろと重要な話し合いをした。

夜9時からPFのBL-4Aでマイクロビームの実験。今回は千葉大のK畑さんがリーダーで、Y川研の学生、PD、東大のスタッフなど総勢9人での実験となった。このメンバーのうち7人が自分の実験テーマを持ってきていて時間配分が大変そうだったが、案に相違して非常にスムーズに測定が進んだ。

2009/11/05

中性子利用セクション

3時から中性子利用セクションの会議があったので、昼から東海に行った。短い会議だったがBL16に関する重要な事を報告できて良かった。

午前中は久々にまとまった時間が取れたので、懸案だった事務仕事をいろいろ片付けた。

2009/11/04

物構研と構造物性センター

午前中は物構研責任者会議。午後は構造物性センターのグループリーダー会議。それぞれ組織の運営に関する会議だったので精神的に疲れて戻ったら、某教授につかまって面倒な事を言われて更に疲れた。

2009/11/03

J-PARC見学

連携研究会2日目。3人の講演を聴いた後、参加者をJ-PARC/MLFの見学に案内した。

2009/11/02

機構シンポと大学連携

今日はつくばで「機構シンポ」、東海で「大学連携研究会」のダブルブッキングの日である。先に決まったのは「連携」の方だったのだが、後から決まった「シンポ」の方を無視する訳にもいかない。という事で午前中はつくばで午後から東海とハシゴをした。機構シンポの方は「中性子を使ったサイエンス」と言うタイトルで20分講演。聴衆に幹部が多かったので緊張したのだが、何とか無事済んだ。連携研究会は少々遅れたが、いろいろな話が聞けて面白かった。